地域医療優先、「診療所」で存続
地域医療を守るため、20床以上の病床を有する病院から、19床以下の有床診療所に変更を行う事例が増えてきている。
有床診療所にすることで、人員や運営経費のスリム化が図れるメリットがあるほか、同時に予防医療に力を入れることがポイントとなっている。
これからの地域の自治体病院の一つのあり方であると考える。
読売新聞2006年7月24日
地域医療優先、「診療所」で存続
http://chubu.yomiuri.co.jp/kenko/chubu_iryo/chubu_iryo060724.htm
読売新聞2006年7月24日
地域医療優先、「診療所」で存続
医師不足や累積する赤字など存続を脅かす難題を抱えた公立病院では、地域医療を支えるため、病院の看板を下ろし、人員や運営経費のスリム化が図れる有床診療所として生き残りを模索するケースも出ている。
岐阜県内で唯一の村立病院である東白川村国保病院も、その一つだ。
1949年に東白川村公民館診療所として開設された同病院は、58年に20人以上の入院患者を収容できる「病院」として認可された。現在は内科や外科、小児科など8診療科を設け、約45人の医師や看護師が勤務している。地域の緊急医療施設でもあり、3人の医師が交代で夜間診療にもあたっている。
同病院の今井俊郎事務局長(55)によると「最大の課題は、交通網の整備で村外の専門医にかかる住民が増えたことなどによる患者減だ」という。外来患者は、98年度に延べ3万4238人だったが、2005年度は2万1800人と大幅に減少している。
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同病院では、患者数が3万人を下回った02年度から危機感を抱き、存続のための改革に乗り出していた。医療会計、給食業務の外部委託をはじめ、03年度からは薬の院外処方とともに、介護保険が適用できる療養病床を15床設けた。さらに、昨年度にはエックス線技師をなくし、「医師がエックス線撮影をこなすなど人件費の削減も続けている」(今井事務局長)という。
これらが功を奏し、入院患者の延べ人数が増加、91年度から04年度まで、最大で約5000万円も出ていた赤字が、昨年度は300万円だが黒字に転じた。
ところが、今年6月に成立した医療費抑制を柱とした医療制度改革関連法によって、入院患者数を支えていた療養病床が12年3月に廃止されることになった。
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今井事務局長は「これ以上、病院として経営するのは無理だ」と言い、「19人以下の入院患者を収容する有床診療所に規模を縮小、経費のスリム化を図り、存続させるしかない」という。同病院の牧谷光晴医師(29)も「地域医療を守るには、有床診療所化もやむを得ない。今後は周辺の拠点病院との連携を強めて、医療の質を落とさないことが必要だ」と話す。
岐阜県内では、すでに有床診療所への道を選択した公立病院もある。郡上市国保和良病院で、赤字から脱却できず、来年7月に有床診療所とし、併設する老人保健施設と連携して、地域の医療・福祉拠点施設を目指す。
和良病院は「予防を主とし、医療を従とする」のスローガンの下、予防医療に力を入れており、市和良地域健康福祉局長の肩書も持つ同病院の後藤忠雄院長(41)は、「病院という名にこだわらず、住民を病気入院させない健康作りにかかわるなど、医療、福祉、保健といった垣根を越えた新たな道を探っていきたい」と、現実的な今後の地域医療、公立病院のあり方を訴えている。
地域医療・自治体病院のマネジメント
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│2006/07/27(木)07:24
