春日井市の救急出動が10年で2倍 「タクシー感覚」が増加

中日新聞が、春日井市の救急出動件数が10年間で2倍近くに急増していることを報道している。緊急性がないのに119番する事例が多く、出動が追いつかなくなる事態も発生しているという。

春日井市の救急出動が10年で2倍 「タクシー感覚」が増加
中日新聞 平成19年6月3日
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20070603/CK2007060302021120.html






春日井市の救急出動が10年で2倍 「タクシー感覚」が増加
中日新聞 平成19年6月3日

春日井市の救急出動件数が十年間で二倍近くに急増している。緊急性がないのに一一九番する事例が多く、出動が追いつかなくなる事態も発生。市消防本部は対応策として来年度から救急車を一台増やす方針を決めたが、「重症者を救うためにも、救急車を呼ぶ前に本当に必要なのか落ち着いて考えてほしい」と適正利用を呼び掛けている。

■通報過密で到着の遅れも  同市の二〇〇六年の救急出場件数は一万一千六百十四件で、六千三百四十三件だった一九九六年に比べて83%増加した。市消防本部の六署・出張所に配備された七台の救急車で対応しているが、昨年の水準では四十五分に一回出動している計算。管轄外からの応援出動を余儀なくされるなど、通報の過密によって現場到着が遅れる事態も発生している。  

昨年八月四日、午前十時二十九分に通信指令室に一一九番が入った。朝宮町の朝宮公園で酔っ払った男性が寝ているとの内容だった。管轄する北出張所の救急車が出動。その直後の同三十九分、四十一分、四十三分、五十六分、十一時八分と立て続けに市内各所から通報があった。  最後の通報は西出張所管内の知多町。既に同出張所の救急車は出動しており、ほかの署・出張所も相次ぐ要請に出動中。最終的に対応したのは、市外の病院に転院搬送して帰る途中の救急車だった。認知から現場到着までにかかった時間は十八分五十二秒。平均の約六分を大幅に上回った。関節を痛めたという内容で命にかかわる事案でなかったのが幸いしたが、同本部の職員は「もし重篤な症状の患者だったら、深刻な事態となっていた」と振り返る。  

この六件の通報のうち、緊急性があったのは二件だけ。昨年全体の搬送傷病者でも48・3%が入院しないで日帰りできる軽症だった。同本部によると、「救急車で運ばれると病院で待たなくて済むと思った」などと、タクシー感覚で気軽に一一九番する人が増えている。  

緊急性のない通報が増える背景には、地域医療が抱える課題も影響している。人口が増えるとともに都市化が進み、近所の医院を知らない人や利用しない人が増加。「どこに行けばいいのか分からなかった」という通報理由が増えている。地域コミュニティーの希薄化が出動増に拍車を掛けている側面もあるようだ。同本部は「脈拍や意識がない、呼吸困難、胸や頭の激しい痛み、大量出血、広範囲のやけどなどの場合は迷わず一一九番。風邪をひいたり、足をくじいたり、打ち身をしたときなどには自分で病院に行けないかもう一度よく考えて」と話す。

 救急車を呼ぶほどではないが医師の診察を受けたい人は、県救急医療情報センター=電0568(81)1133=に連絡すれば、二十四時間体制で医療機関の案内を受けられる。

<記者の目>
 救急出動の激増は全国的な問題となっている。東京消防庁は六月から、現場で緊急性が明らかに低いと判断した患者については搬送しない制度を始めた。運用には細心の注意が求められるが、現在の「全出動」では救命に支障が出かねない状況になってきているのも確か。救急車が緊急走行を許されるのは、あくまでも命を救うためであることを忘れてはならない。行政側も単に適正利用を呼び掛けるだけでなく、地域医療の在り方を見つめ直す機会ととらえるべきだ。

 (小野沢健太) 




地域医療・自治体病院のマネジメント | コメント(0) | トラックバック(0)2007/06/05(火)07:03

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プロフィール

元埼玉県庁の職員。 現在は埼玉県の坂戸市にある城西大学の経営学部の准教授で行政マネジメントを教えています。

伊関友伸

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