【産経新聞社説】産婦人科医不足 赤ひげ先生育てる教育を
産経新聞が5月27日づけの社説で「産婦人科医不足 赤ひげ先生育てる教育を」という主張をしている。
http://www.sankei.co.jp/news/editoria.htm
つい先日、「医療を問う」という良い連載をした新聞社の論説とは思えない内容である。
私は「赤ひげ」という言葉はあまり好きではない。
医師の献身的な行為を一方的に期待するニュアンスで使われることが多いからだ。
医師が、産婦人科や小児科、へき地などの医療を行う場合、どうしても医師に過剰な負担がかかりやすい。
そのような過剰な負担をかけすぎないために、自治体関係者や地域住民は、十分な医師の配置、適切な給料、患者のコンビニ医療の抑制などの対応を行うべきだ。
そのような配慮をせずに、一方的に医師の献身を求めるならば、医師はその場からだまって立ち去るだけだ。
医療は、地域全体で作っていくという視点が「赤ひげ」待望論には欠けているように思える。
産経新聞5月27日付朝刊
■【主張】産婦人科医不足 赤ひげ先生育てる教育を
医師の数に地域的な格差があり、産婦人科医と小児科医の不足が、少子化対策ともからんで深刻な問題となっている。医師不足は地域住民の健康や命にかかわるだけに根本的な解決策が求められる。
二十四日、一都九県で組織する関東の知事会議が都内で開かれ、産婦人科や小児科の医師不足の解決策を国に求めていくことが決まった。なかでも群馬県の小寺弘之知事は(1)産婦人科医や小児科医を一定期間、義務的に病院に勤務させる(2)産婦人科・小児科の診療報酬を上げる(3)産婦人科医や小児科医の医療訴訟に対する負担を軽減する−といった措置を求めた。
医師不足は離島や僻地(へきち)ほど顕著だ。例えば、人口一万七千人の隠岐の島(島根県)では、四月十五日から産婦人科医がいなくなり、地元で出産ができなくなってしまった。ワシントン・ポスト紙までが、産婦人科医不足が日本の少子化に拍車をかけているととらえ、「出生に伴う新たな痛み」と報じた。十一月には新たな医師が派遣されるというが、隠岐の島町の松田和久町長は「海を隔てるハンディキャップを克服するのは容易ではない」と語っていた。
厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によれば、平成十六年の人口十万人当たりの産婦人科医の数は全国平均の八人に対し、高知県が五・六人と一番少なく、次に新潟、埼玉両県が五・八人と続く。小児科医だと、全国平均が十一・五人で、茨城県(八・二人)、埼玉県(八・六人)、千葉県(八・七人)の順で少ない。
どうしたら医師の偏在を解消できるのか。小児救急医療の現場では、複数の病院にいる医師を一つの病院に集め、そこで高度な医療を行い、医師の勤務状況も改善するという対策を進めている。小児科医がテレビ電話を使って県内各地の病院から相談を受け、診療や治療の助言をする遠隔地支援システムもある。
僻地や離島で勤務することは大変だろう。だが、医師の使命感に燃え、自らが必要とされる土地で人の命を救う「赤ひげ先生」になってほしい。特に若い医師に期待したい。そうした先生を支える環境整備は必要だ。そんな医師が育つには、医学生時代からの教育のありようも問われる。
地域医療・自治体病院のマネジメント
| コメント(0) | トラックバック(0)
│2006/05/27(土)08:20
