年金不正処理26都府県の11万4000人に
社会保険事務所の年金不正処理が次々と明らかになっている。
http://www.sankei.co.jp/news/060530/sha004.htm
年金の徴収率を上げるために、本人の同意なく国民年金保険料の不正免除・猶予の申請をしたり、申請書を受けずに電話などによる意思確認だけで職員が申請書を代筆する事例が、26都府県の11万4000人に達したそうである。
元々国民年金の納入率が低下したのは、国民年金を払いたくないという一部の国民の意識も大きいが、平成12年の地方分権改革で、地方事務官制度を廃止し、年金業務を国の業務としたことも大きいと考えている。
それまでは、年金の徴収事務は、住民に身近な市町村で行っていたが、改革により、住民とは遠い「お役人様」である、社会保険庁に移った。
この時、市町村の年金の徴収のノウハウが、社会保険庁の役人に引き継がれなかったことが、今日の納入率低下の要因の一つになっていると考えている。
ある自治体の年金担当の方に聞いたことがあるが、その自治体では国民年金の徴収の移管の時、社会保険庁の職員が熱心に徴収のノウハウを聞いてくるかと期待していたが、単に「事務」だけを引き継いで、あとは自分たちでやるということで、期待はずれだったそうだ。
「お役人様」の意識のままで意識や仕事のやり方が変わらず、数値目標だけを設定された社会保険庁の職員が、不正な処理をしたのは必然と考える。
産経新聞 平成18年5月30日
年金不正処理、新たに13県 社保庁公表
≪26都府県の11万4000人分に拡大≫
国民年金保険料の不正免除・猶予問題で、社会保険庁は29日、全国の社会保険事務局長からの聴取結果をまとめ、新たに13県で不正処理が見つかったと発表した。不正処理は計26都府県の約11万4000人分に拡大し、全事務所の3分の1にあたる100事務所にのぼる。特に10都府県では年金加入者に申請の意思を確認しない違法な処理が行われていた。
社保庁の27日の発表では、不適正事例は13都府県の約7万6000人分で、調査のたびに事例が増えており、ずさんさが浮かんだ。社保庁は、事務局主導で加入者の意思確認をしない処理を行っていたにもかかわらず報告していなかった事務局の事務局長を更迭する方針を固めた。
今回明らかになった不正は、平成17年度中に全国で処理された270万件の免除・猶予申請のうち4.4%にあたる。社保庁は事態を重視し、今回の聴取結果を「自主点検による1次調査」と位置づけ、270万件すべてについて6月末を目標に再点検する。
また、川崎二郎厚生労働相はこの日夜開かれた社保庁改革有識者会議で、調査結果を再確認するため第三者による調査を行う考えを示した。
今回明らかになった不正処理は、(1)年金加入者の意思を確認せず手続きし承認したケースと、(2)申請書を受けずに電話などによる確認で手続きを始めたケース−の2つに大別。承認後に加入者から申請書を受け取ったケースもある。
本人の意思確認をしていない手続きをしていたことが新たに分かった事務局は、秋田、埼玉、岐阜、静岡、奈良。これまでに判明していた東京、三重、京都、大阪、長崎と合わせ、延べ44事務所になった。
また、加入者に電話などで確認し事務所職員が申請書を代理作成し手続きしていたことが青森、茨城、群馬、新潟、長野、愛知、滋賀、愛媛、高知で明らかになった。
今回不正を明らかにした事務局、事務所は過去2度の調査にウソの報告をしていたことになり、村瀬清司長官は「結果的に隠蔽(いんぺい)は否定できない」と語った。
国民年金法では、保険料の免除・猶予手続きには申請書の提出が必要。社保庁はいずれのパターンについても、手続き開始時点で「法令に定める手続きに違反した」とし、不正と認定した。
(05/30 01:34)
