悪化する小樽市の病院会計 新病院建築のための資金収支計画が半年で頓挫

小樽ジャーナルが、小樽市が新病院建築のために作成した資金収支計画が半年で達成不可能の状況になり、新たな計画を策定しなければならないことを報道している。

小樽市は、小樽病院と第2病院を統合し、築港地区に156億円の新病院建設を推し進めている。

病院建築の起債許可を求めるために、国・道から求められて作成した、44億円の累積赤字を、2007年度から5ヵ年で解消する資金収支計画が、初年度の6ヵ月の実績で、今年度目標額を大幅に下回って計画達成は不可能となり、新たな資金計画の策定作業が必要となっているという。

客観的に見れば、現状で小樽市が新病院の起債を認められることは厳しいであろう。


悪化する市の病院会計!資金収支計画が半年で頓挫!
小樽ジャーナル 2007年10月29日
http://webotaru.jp/2007/10/post_1997.php


病院の起債協議、道も慎重対応!市は計画見直しへ!
小樽ジャーナル 2007年10月30日
http://webotaru.jp/2007/10/post_1997.php





悪化する市の病院会計!資金収支計画が半年で頓挫!
小樽ジャーナル 2007年10月29日

 小樽市病院事業が抱えている44億円の累積赤字を5ヵ年で解消を目指す市の資金収支計画が、初年度に入ったばかりの半年で、すでに破綻し、お手上げ状態に陥っていることが分かった。

 市は、小樽病院と第2病院を統合し、築港地区に156億円の新病院建設を推し進めている。このための起債許可を求めるために、現在、道と協議中だ。しかし、起債許可のために、国・道から求められて作成した、44億円の累積赤字を、2007(平成19)年度から5ヵ年で解消する資金収支計画が、初年度のわずか6ヵ月の実績で、すでに今年度目標額を大幅に下回り、早くも初年度の計画達成は不可能となり、新たな資金計画の策定作業が必要となる異常事態となっている。

 市は、国・道から病院事業の44億円の赤字解消を、5ヵ年で達成することを求められ、2007(平成19)年度から2011(平成23)年度までで、この巨額赤字を解消する資金収支計画を提出し、病院経営に「死に物狂いで」取り組んでいた。

 しかし、このほど明らかになった2007(平成19)年度の入院・外来の医業収益で、4月から9月の半期で、約3億5,000万も下回ることが明らかになった。入院・外来の患者数も、半期で前年比22,073人も減少し、収益が一向に改善していない惨状があらわとなった。

 市は、今年度、入院収益と外来収益で、89億1,500万円を予定しているが、4月から9月の半期では、41億900万円しか上がっておらず、単純計算で、年間では82億1,900万円となり、当初予定よりも、約7億円も減収となり、目標達成は、到底不可能で、市の資金収支計画が、机上の空論で、初年度の半年で、早くも画餅に帰することになった。

 これは、新病院建設の起債協議でも、大きな障害となることになり、市は、改めて資金収支計画を練り直し、再提出することを迫られることになった。

 「今年度は予定の収入が減っているので、計画達成は難しい。今の状況で、不良債務の解消は非常に厳しい。来年度以降の不良債務の解消について、起債も今年度の収益で判断されるため、道と継続協議中だ。収支計画で示した平成23年度までに、不良債務がゼロになれば良い」(病院事務局)としているが、5年で44億円の赤字解消を目指し、半年でお手上げとなったものが、残りの4年間で解消出来ないことは、火を見るよりも明らかだ。

 市が今後、新たに再度作る資金収支計画も、またも机上の空論のまま絵に描いた餅に終わる公算が大きい。この意味で、山田勝麿市長が進める新病院建設が大きな岐路に立たされることになった。新病院建設は、山田市長の3期にわたる市政の最重要公約だが、今後の推移如何では、任期中に実現の見通しが難しいだけでなく、建設計画の大幅な手直し、方向転換を迫られることになりそうだ。

 病院会計の目標達成が、不可能なことから、一般会計からの繰入が増えれば、それだけ一般会計の赤字幅が大きくなるだけだ。不良債務を抱える放蕩息子の病院会計が、四苦八苦の貧乏親会計をも潰す可能性が一段と大きくなっている。このままでは、病院会計と一般会計が共倒れになるため、市は、今後、抜本的な歳出削減を迫られることになり、人件費の削減が大きな課題となろう。




病院の起債協議、道も慎重対応!市は計画見直しへ!
小樽ジャーナル 2007年10月30日

 累積赤字44億円の解消を目指す市の病院事業の5ヵ年計画の資金収支計画が、病院の患者数減少や医業収益の伸び悩みで、早くも2007年度の初年度の上半期で、バンザイ“お手上げ”状態になっている問題が、市の新病院建設の起債協議にも大きな影響を及ぼしている。

 山田勝麿小樽市長は、10月30日(火)11:00から開かれた定例記者会見で、病院の資金収支計画についての本社記者の質問に答え、「楽観出来る状況にない」と述べ、「5ヵ年計画を作り直していく作業を進めている」と状況の変化に、慌てて対応していることを明らかにした。

 市長は、「病院の上半期の入院・外来患者数も医業収益も落ちている。一般会計で3億3,000万円の交付税の減額があり、当初の赤字削減計画の検証を激論を交わしてやっている。国の公立病院改革懇談会の経営改革ガイドラインが11月末までに発表されるので、そういうものを見ながら健全化計画を作る作業をしている最中だが、もう少し時間がかかる。起債については、道と事前協議中で、何点か指摘されているが、44億円の赤字解消の見通しが立たず、最後のツメをやっている。一般会計で交付税が増える見通しはないので、どれくらい減らされるかが問題だ。いずれにしても楽観出来る状況にない。11月中旬の市立病院調査特別委員会に報告出来るよう努力している」と、これまでよりも危機感を高めた発言を行った。

 小樽市との起債協議を進めている北海道庁の市町村課・公営企業グループは、「春から小樽市立病院の収支計画の説明を聞いているが、患者数や収支が良くなっていないので、断片的に相談を受けている。小樽ジャーナルさんにも載っていたが、上期の患者数や収益も上がっていない。明後日の11月2日(金)に、小樽病院の担当者が書類一式を持って来るので、その内容を確認し、国に申請をするかどうかを考える。新病院建設がつきまとうので、その辺の収支計画を慎重に見定めていく。医療機器購入にあたっては、基本的に事前協議はないが、多額の不良債務と建設費を抱えているため、慎重に対応していく。今年度の2次の起債要望は、年明け前後に出す」(水引主査)と話しており、道も巨額の赤字を抱える小樽の病院問題に慎重対応を迫られており、今後の道の方向性に関心が集まることになる。

 道が市の病院計画にOKを出し、国に起債申請を上げることが出来ても、今度は、公立病院改革に強力に乗り出している総務省が、これまでよりも厳しい方針で臨むことは確実で、公立病院改革懇談会の長隆座長は、これまで本社に、「総務省は、この状態で小樽の起債を認めることはありえない」と断言しており、市の起債の行方が注目されることになる。




地域医療・自治体病院のマネジメント | コメント(0) | トラックバック(0)2007/10/31(水)21:57

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プロフィール

元埼玉県庁の職員。 現在は埼玉県の坂戸市にある城西大学の経営学部の准教授で行政マネジメントを教えています。

伊関友伸

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