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酒田県立・市立病院の統合問題 模索続く経営形態

山形県酒田市の県立日本海病院(528床)と市立酒田病院(400床)が、2008年度までに統合する方向で県と市の協議が行われている問題で、経営形態のあり方について模索が続いているようだ。

市立酒田の栗谷義樹院長は「病院も経営者が資金調達などに責任を持つべきで、公務員型では誰も責任を取らなくなる」として、職員が公務員の身分を失う非公務員型の独立行政法人の経営を主張している。

日本海の新沢陽英院長は「公務員型でもトップ次第で改革はやれる」と主張、両者の間の隔たりは大きい。



河北新報 平成18年12月21日
酒田県立・市立病院の統合問題 模索続く経営形態

http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2006/12/20061222t51011.htm




河北新報 平成18年12月21日
酒田県立・市立病院の統合問題 模索続く経営形態


 山形県酒田市の県立日本海病院(528床)と市立酒田病院(400床)が、2008年度までに統合する方向で県と市の協議が行われている。医師不足や経営難にあえぐ地方公立病院が増える中、県立と市立の垣根を越え、地方独立行政法人への移行も視野に入れる。ただ、設置者が異なる病院同士の統合だけに、職員の身分問題など難題も横たわる。(酒田支局・梅木勝)

<患者奪い合う>
 再編問題が浮上したのは、築40年近い市立病院の改築が待ったなしとなったため。日本海病院とは2キロと近接、互いに総合病院として重なる診療科が多く、患者を奪い合う状態だった。近年は医師不足も加わり、市立で耳鼻科と皮膚科、日本海で精神科の常勤医がゼロになるなど、人口わずか15万の庄内北部圏で基幹病院が2つある無理が目立ってきた。

 酒田市は04年、高橋和雄前知事の意向も受け、県に両病院統合を提案。今年8月、県立5病院の赤字問題を抱える斎藤弘知事が外部監査結果を踏まえ、統合を決断した。特に日本海病院は1993年の開設以来、毎年赤字を計上し、累積損失は100億円を超えるなど、県立病院でも財務状況が最悪という事情もある。

<選択肢増える>
 今後焦点になるのが経営体の在り方だ。想定されるのは(1)一部事務組合(2)独立行政法人の公務員型(3)同・非公務員型。

 先月下旬の統合再編協議会で、市立酒田の栗谷義樹院長は「病院も経営者が資金調達などに責任を持つべきで、公務員型では誰も責任を取らなくなる」として、経営は(3)が理想だと強調。これに対し、日本海の新沢陽英院長は「公務員型でもトップ次第で改革はやれる」と述べ、統合の難しさを浮き彫りにした。

 非公務員型であれば、業績に応じた給与配分や雇用調整も可能になる。しかし、地元にとって病院は公務員としての安定的な就業先であり、給与や身分が保証されなくなることへの不安は大。5県立病院のうち、日本海だけを独法化できるかという問題も出てくる。

 自治体病院の再編はこれまで、関係市町村による一部事務組合方式が一般的だったが、行政の効率化を目指し、04年度に地方独立行政法人法が施行され、自治体の選択肢が増えた。財政難を背景に、病院などの公営企業も経営努力が求められている。

<「理想型」追う>
 公立病院の統廃合や独法化は全国で進む。今年4月、宮城県立こども病院が非公務員型、大阪府が5つの府立病院を1つにまとめ、公務員型の独法人に移行した。酒田のほか、東北では釜石市立病院と県立釜石病院の統合が進み、来年4月、県立病院に集約する形で再スタートする。

 酒田の病院統合は本年度中に基本構想、07年度中に基本計画を策定。施設の現況から、統合後は日本海が核となり、診療科目を調整しつつ市立は慢性期病床に特化するなどの機能分担と連携を図ることが予想される。

 斎藤知事は「経営体や統合後の姿など、大枠を基本構想に盛り込み、住民に示したい」と語る。阿部寿一酒田市長も「理想型を追い、スピード感を持って取り組みたい」と前向きなだけに、今後本格化する再編協議に注目が集まっている。

[地方独立行政法人]国立大学や特殊法人の多くが移行した国の独立行政法人の制度を地方に拡大するため、2004年度法制化された。自治体が設立を自主判断し、公務員・非公務員を選べる。独立した法人格を持ち、民間の経営手法を取り入れ、効率的な運営を図るのが狙い。


地域医療・自治体病院のマネジメント | コメント(5) | トラックバック(0)2006/12/23(土)10:47

コメント

質量保存の法則

>地元にとって病院は公務員としての安定的な就業先であり、給与や身分が保証されなくなることへの不安は大。

”最も大きな産業は役所”とか”最も大きな収入源は地方交付金”などという地方は崩壊させた方がよろしいのでは?

貧しい地方にしがみ付くのも人権でしょうが、そのために他人の権利(財産権、、つまり国税)を侵害し、自分達に分けろというのは筋が違うでしょう
逆立ちしても返せないような借金を抱えた痴呆自治体には退場して頂いて、住民責任も追及しないといけないでしょう。痴呆に住み続けるからには痴呆責任を負うということです。移動の自由もある訳だからね
アホな痴呆議員を選び、汚職まみれの痴呆首長を選ぶのはバカであり、バカである責任は被ってもらわないと駄目でしょう。バカを行使する権利は責任と表裏一体です

一方、国公立病院が補助金なしではやっていけないような医療報酬体系ってのは、狂っているとしか言いようがない
医療報酬を出す方も困っているだろうが、医療報酬を再分配する末端の医療機関もコロコロと制度や報酬を変えられたのでは安定的な経営など絵空事
恩恵を受けている(そして大元の医療資源の出資者である)国民は、無関心(あるいは情報管理されている?)。
産科・小児科だけでなく、医療全体が崩壊するかもしれないのに、一部関係者だけの騒動扱いですから、同情さえ失せてしまいそうです

あっさりと自治体病院、国立病院など止めてしまって、まっとうな医療をしている民間病院に補助金を出すだけにした方が、好ましい施策とは言えないだろうか?
医師以外は高給を払っているのだから、将来の退職金や直接の雇用関係から開放されて、自治体の負担は極端に軽減すると思うがどうであろうか?

医師以外の医療職が民間より官営の方が高く、事務系が特に非効率極まりなく、かつ専門性も責任感もないという事態もなくなるだろうに
労働流動性のない人材に高額の給与を出す理由は本来ないはずで、地方なら地方なりの弱小企業なみの給与でも有難くのではないだろうか?(それでも安定しているだけ、待遇が良い筈なのだけれど)

地方住民は安く住み、安く医療資源を手に入れたいと願い、移動性があり永住性に乏しい医師は、子弟の教育環境も悪く、労働環境も最悪な地方から逃れようとする
さて、給与でバランスを取ってきた数十年前に歴史は戻るのか、あるいは医師の人権蹂躙によって強制労働が行われるようになるのか。。。。

医療が激変する時代に突然、巻き込まれた感があります

多くの勤務医は、労働基準法で保護されるべき、賃金労働者に過ぎないこと、投入されている(あるいは予測されている)医療資源は欠損していることを国民に知らしめて、整合性、永続性のある医療制度にしてもらいたいものです

(長文ですね。ちょっとヒマだったので、すみません)

2006/12/23(土)15:37| URL | Med_Law #- [ 編集]

私も同感です。公立病院の存在価値自体疑問です。公立病院だからといって、患者の受け入れ許容が広い訳でもなく(医師の人数で無理なのもありますけど)、勤続年数ばかり長くて給料相応の仕事のできない事務・ナースの培地とすら思えますよ。あと少しで当直が終わる…。

2006/12/24(日)04:01| URL | 都会の勤務医 #- [ 編集]

農林業、JA、役場、病院が基幹産業って地域は日本中にあるんでしょうね.

2006/12/24(日)08:23| URL | myu #- [ 編集]

親方日の丸主義は山形で健在

>地元にとって病院は公務員としての安定的な就業先であり、給与や身分が保証されなくなることへの不安は大。

民間でも病院が安定しているなら不当な解雇はそうそうあるものではない.公立病院でも病院事態の存続が危機的なところの方が多いという基本的事実を無視したご意見です.病院は潰れても自分の雇用だけはゼッタイ確保していただくという発想であり,地域医療の安定化を大きく阻害するものです.職場無くして何の雇用か.
 地方紙が堂々と書くのですから山形では(おそらく他の地方でも)こういう見解がまかり通っているのでしょう.

2006/12/25(月)02:48| URL | いのげ #FT/S2lR. [ 編集]

大学医局

市立病院は東北大学が主体で、日本海は山形大学。
これらの大学の医者個人が仲が悪いわけではないけれど
(むしろ顔なじみ)医局というものが絡んでくると
いろいろとね。
日本海の院長は歴代山形大学の数少ないあがりポスト。
それが無くなるのは抵抗あるでしょうね。
末端の医者は合併して、個人の負担が減れば万々歳でしょうけど。

2006/12/25(月)09:30| URL | ssd #- [ 編集]

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プロフィール

元埼玉県庁の職員。 現在は埼玉県の坂戸市にある城西大学の経営学部の准教授で行政マネジメントを教えています。

伊関友伸

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