07ニュース回顧「純金こけし売却」=12・完 財政危機で苦渋の一手
陸奥新報が、07ニュース回顧として黒石市の純金こけしの売却について報道している。
黒石市は病院事業会計や下水道事業会計の不良債務増などから、2007年度決算の連結実質赤字比率を30%を超えることが予想されている。
地方財政健全化法で、連結実質赤字比率30%は財政再生団体適用のボーダーラインとなる。
07ニュース回顧「純金こけし売却」=12・完 財政危機で苦渋の一手
陸奥新報 2007年12月27日
http://www.mutusinpou.co.jp/news/07122708.html
07ニュース回顧「純金こけし売却」=12・完 財政危機で苦渋の一手
陸奥新報 2007年12月27日
黒石市が国のふるさと創生資金1億円で作った純金こけしの売却が市議会12月定例会で可決した。財政危機の市にとってほっと胸をなで下ろした瞬間だ。売却先は11月30日の一般競争入札で、1億9100万円(金銀こけしのセット、税抜き)の価格で落札した仙台市の健康栄養補助食品製造販売会社「ジャパンヘルスサミット」に決定した。
市は病院事業会計や下水道事業会計の不良債務増などから、2007年度決算の連結実質赤字比率を30%超と予測する。地方財政健全化法で、同比率は財政状況を判断する新指標の1つ。30%は財政再生団体適用のボーダーラインとなる。
新指標が適用される08年度決算を目前に控え、市は再生団体転落を回避するため、4億円の赤字削減を必須条件とする。金銀こけしの売却金もこの必須条件を達成する強力な資金源に位置付けている。
しかし、市民にとって金銀こけしは、もはや簡単に手放せる金塊、銀塊ではなく「魂が入っている。市の象徴」と言われるまでに愛着が深まっていた。
このため、市民有志が金銀こけしの展示継続を求める運動を開始。1口1万円のオーナー制で共同管理する案で活動を展開したが、十分な成果を得られずに断念。市はこの結果を「金銀こけしは売ってもよい」とする市民の声として売却を決断した。
鳴海広道市長は12月定例会の答弁で「市の崩壊を防ぐのが市長の責任」として、常々主張してきた再生団体転落の回避を最優先する考えを改めて強調。その一端として金銀こけしを売却したことは、財政状況の根本的な解決にはならないが、待ったなしに迫る危機を回避する苦渋の一手だった。
これまで県内外の観光客誘致に貢献した金銀こけしだが、それに頼らない「伝統こけし本来の魅力」で誘客することが大事とする意見もある。また、こけし作りにアイデアを盛り込み、伝統に新味を加えるこけし工人の活動も見られる。このような取り組みの中で今後、金銀こけしの輝きに劣らぬ魅力づくりが求められる。
純金こけしをなでてお別れをする観光客(10月21日)
