低出生体重児、医療機関がサポート 医師らと親の交流会、カンガルーケア導入も
読売新聞が、早産などで小さく生まれた「低出生体重児」とその親を支援する取り組みについて報道している。
都立墨東病院では、低体重で生まれた赤ちゃんの親と医療スタッフが定期的な交流会を開いて情報の交換をしているという。
親子支援の一つとして、NICUで集中治療中の赤ちゃんを、母親が胸に抱いて温める「カンガルーケア」も広がっているようだ。
低出生体重児、医療機関がサポート 医師らと親の交流会、カンガルーケア導入も
読売新聞 2008年3月7日
http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/birth/mb20080307kk02.htm
低出生体重児、医療機関がサポート 医師らと親の交流会、カンガルーケア導入も
読売新聞 2008年3月7日
早産などで小さく生まれた「低出生体重児」とその親を支援する取り組みが少しずつ広がってきた。医療の進歩は、赤ちゃんが1000グラム未満で生まれても、命を取り留めるようになったが、小さな赤ちゃんを育てていく親にとっては、心と体の発達に不安を感じる状況が続く。それだけに、入院中から親子が肌を触れ合わせる機会を確保し、退院後も親子を支えるなど病院や保健センターによるサポートが重要性を増している。
「うちの子、体重があまり増えなくて」「大丈夫よ、こんなに元気いっぱいに育っているから」。2月下旬、東京都墨田区の都立墨東病院。新生児外来の一角に赤ちゃん連れで集まった母親らの相談に、新生児科の医師、渡辺とよ子さんが応えていた。
毎月第4金曜日の午前中に開かれる「おたまじゃくしの会」。医師や看護師、臨床心理士らも参加し、小さく生まれ、新生児集中治療室(NICU)を巣立った赤ちゃんとその母親たちが集まる。
この日は20組以上が参加。子どもがNICUに入院中という母親も来て、「小さい子の育児の情報は少ない。みなさんが自宅でどう育てているか聞きたかった」と話した。
臨月で生まれる赤ちゃんの体重は通常3000グラム前後で、2500グラム未満の子を低出生体重児という。出生数が減るなか、低出生体重児は1990年の約7万7300人から2005年に約10万1200人へと増え、赤ちゃん全体の約1割を占める。1500グラム未満の極低出生体重児も約8200人いる。
高齢出産などが増え、医療技術の進歩でかつては助からなかった1000グラム未満の赤ちゃんの救命率も上がったことが背景にある。
退院後も、小さな赤ちゃんの心身の発達に、親の不安は尽きない。家族の支援に力を入れてきた渡辺さんは「小さく生まれたのは自分のせい、と考えるお母さんは多い。『仲間がいる』『元気に育っている子どもたちもいる』と知ることが、まず励みになる」と話す。
問題は、こうした親子たちをサポートする仕組みが不十分な点だ。同窓会的な集まりは各地で増えてきたが、墨東病院のように、医療スタッフが業務としてかかわる定期的な交流会は、まだまだ珍しいという。
親子支援の一つとして、NICUで集中治療中の赤ちゃんを、母親が胸に抱いて温める「カンガルーケア」も広がっている。赤ちゃんを保育器から出して母親が胸に抱き、ぬくもりや鼓動を感じ合ってもらう。
聖マリアンナ医科大横浜市西部病院(同市旭区)は、欧米で実施されていたこのケアを、全国に先駆けて13年前に導入。「胎動や陣痛もないまま予想外に早く生まれると、母親になった実感を持ちにくい。だから、入院中から触れ合い、母乳を与え、親子のきずなを深めることがとても大事」と同病院の小児科医、笹本優佳さんは言う。
こうしたケアは、赤ちゃんの発達や母乳の分泌を促すなど多くの効果をもたらすことが認められ、全国のNICUを持つ病院の半数以上で取り組まれるようになった。
「地域の保健所でも小さな赤ちゃんを育てる親への支援が行われている。そうした支援も上手に活用してほしい」と笹本さんは助言する。
「NICUで見守っていた小さい赤ちゃんが、退院後に成長していく様子を知るのは医療スタッフにも大切なこと」と渡辺さん(中央)(東京都墨田区の都立墨東病院で)
