【地域医療はいま】 小児救急充実の誤算

朝日新聞が、愛知県岡崎市が、市民病院に軽症の小児の診療が集まってくる流れを変えようと、4年前から夜間休日に軽症患者を診る1次救急を充実させてきたが、救急の充実がかえって小児患者の需要を掘り起こすという皮肉な結果をもたらしたことを報道している。


【地域医療はいま】 小児救急充実の誤算
朝日新聞 2008年04月17日
http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000240804170001





【地域医療はいま】 小児救急充実の誤算
朝日新聞 2008年04月17日

【岡崎市・市医師会】

●患者増えただけ 市民病院利用減らず

 親の意識改革半ば

 小児救急医療の崩壊は、重症患者を診るべき病院に軽症患者が押し寄せていることが、最大の原因とされる。愛知県岡崎市はこの流れを変えようと、4年前から夜間休日に軽症患者を診る1次救急を充実させたり、市民に理解してもらう活動に取り組んだりしてきた。だが、救急の充実がかえって小児患者の需要を掘り起こすという皮肉な結果をもたらした。(岡崎明子)

 「コンビニ診療と言われるが、それさえも難しいのが現状だ」。厚生労働省の会議「安心と希望の医療確保ビジョン」で2月下旬、花田こどもクリニック(岡崎市)の花田直樹院長が小児科医代表として発言した。

 人口約37万人の岡崎市には重症患者を診る小児科の2次救急病院が無く、重篤患者のための3次救急を担当する岡崎市民病院に軽症患者が押し寄せていた。そこで04年から1次救急として市医師会の夜間急病診療所に小児科医1人が詰めることになった。

 その結果、同診療所を受診した小児患者は03年度の3742人から、04年度は6758人と約3千人増えた。ところが、期待された市民病院の患者数減にはつながらなかった。03年度は8539人、04年度は8128人と400人しか減らず、06年度も同様の傾向が続いた=グラフ。
 その間も市と市医師会は市民に理解してもらう活動を重ねた。

 05年度には子どもが発病した場合の対応に関するガイドブックを作って母子手帳発行の際に渡したり、医療機関に置いたりした。06年度は小児救急フォーラムを開き、広報番組を地元ケーブルテレビで放映。07年度には保育園や子育てサークルなどに医師が出向く出前講座を42回催した。

 だが、親の意識を変えるのは難しい。出前講座に参加した親1838人を対象に実施したアンケートでは、「親が働いていれば、夜間救急を利用するのは仕方ない」(125人)、「夜の方がこんでいないので、夜に受診しようと思う」(14人)という回答が依然としてあった。

 市民病院小児科の長井典子統括部長は「1次救急のおかげで、何とか救急患者数は横ばいで収まっている」と指摘する。同病院の患者は9割が軽症だ。「救急外来は夜間の小児科ではない。『高熱→インフルエンザ脳症→死』と報道し、小児科医に診てもらうよう強調したマスコミにも責任がある。ほとんどの場合、1次救急の受診や電話相談で対応できることを理解して欲しい」

 花田さんも「意識の啓蒙(けい・もう)には時間がかかる。地道に続けていくしかない」と話す。

「軽症患者は昼間に医療機関にかかることが大切」と訴える花田直樹院長=岡崎市の花田こどもクリニック


地域医療・自治体病院のマネジメント | コメント(0) | トラックバック(2)2008/05/02(金)21:34

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元埼玉県庁の職員。 現在は埼玉県の坂戸市にある城西大学の経営学部の准教授で行政マネジメントを教えています。

伊関友伸

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